皆さんはダイビング中に雷や地震に遭遇したことはありますか?
ダイバーだけではなく体験ダイビングを考えている方でも不安に思う方もいらっしゃるかと思います。
この記事では、万が一ダイビング中に雷や地震に遭遇したらどのような行動をとれば良いのかインストラクターである私が対処法を解説していきたいと思います。
ケース別 海で雷に遭遇した場合の対処法
海に入る前に雷に遭遇した場合
海に入る前に雷に遭遇したら危険なのでダイビングは諦めましょう。
少し待って天気が回復するような予報であれば、車の中などで天気が回復するのを待つのも良いかもしれません。
水面で雷に遭遇した場合
水面で雷に遭遇したら、すぐに上がれる状況であればいったん海から上がりましょう。
すぐに上がれない状況であれば、ただちに潜降してしまいましょう。
水面に雷が落ちても、電気は水中で広範囲にすぐ分散してしまうので水中ではほとんど影響はありません。
しかしながら、水面では感電のおそれが十分にあります。
海で感電したというニュースのほとんどが、サーファーが水面で感電したり、釣り人が岩場で感電したというものです。
雷は高い場所に落ちるというのは言うまでもなく皆さんご存知かと思いますが、水面において人が顔を出せばその地点が高い場所になりますし、釣り人が釣り竿を使えば釣り竿の先端が高い場所になるので注意が必要です。
水中で雷に遭遇した場合
水中にいるときに雷が鳴っていることに気づいたら、ある程度雷鳴が収まるまで水中で待機して、収まってから海から上がりましょう。
実は、水面にすぐ上がるよりも水中の方が安全なのはダイバーの常識なのです。
水中で待機するときは、明確な基準はありませんが念のためできるだけ水深を下げて待機しましょう。
ケース別 海で地震に遭遇した場合の対処法
海に入る前に地震に遭遇した場合
津波が来ることを想定してすぐに高台へ避難して情報収集しましょう。
どれくらいの震度であれば大丈夫等の基準はありませんので現地ガイドの指示に従いましょう。
水面で地震に遭遇した場合
水面にいるときに地震が発生したら意外と気づかないものです。
沖の方から聞きなれないような音や、水面が細かく揺れたりすることがあります。
もし気づいた時には、すぐに海からあがり高台へ避難して情報収集しましょう。
他に気づかずに海に入っている人がいたらすぐに注意喚起しましょう。
水中で地震に遭遇した場合
万が一、水中に潜っている時に地震が発生すると、沖の方から「ドン、ゴゴゴゴゴゴ」というような音がしたり、水底の砂が巻き上がったり、近くの生物がいつのまにかいなくなっていることがあります。
地震に気づいたら、ビーチダイビングであればすぐに陸へ上がり、津波が来ることを想定し高台に避難しましょう。
ボートダイビング中であれば、すぐに浮上しボートへあがりましょう。
水面にいる人は意外と気づかないので、水中での異変を船長に伝え、情報収集し、必要があればボートで沖に避難しましょう。
津波が来ることが想定されるときは、港に戻るよりも沖に避難する方が津波の影響を受けにくいです。
ダイビング中に地震が起きたら気づけるのか?
インストラクターである私は過去に水中にいるときに震度4の地震を経験したことがあります。
沖の方から「ドン、ゴゴゴゴゴゴ」というような普段聞きなれない音が何度もしたので、すぐにお客様と海から上がることを判断しました。
ビーチダイビングでしたので陸上にあがるとすぐに他のインストラクター仲間が「震度4で津波のおそれなし」ということを教えてくれました。
今思い返してみると、いつも浅瀬にいるウミガメなどの生物がいなくなっていたような気もします。
いつも海に潜っているプロのダイバーであれば気づけるかもしれませんが、一般のダイバーだと船のエンジン音などと聞き違えるかもしれません。
ダイビング中に地震が発生したかどうかの判断は、
- 「ドン、ゴゴゴゴゴゴ」というような普段聞きなれない音がすること
- 普段いる生き物がいなくなること
- 海底の砂が巻き上げられ透明度が突然悪くなること
等が一部の判断基準となります。
ダイビング中に津波に遭遇したら?
まずはダイビング中に地震に遭遇したら津波が発生することを想定しすぐに上がることは先に述べました。
しかしながら、津波に遭遇した時の判断はかなり難しいところです。
水面にいれば確実に津波にのまれますし、水深の深いところにいれば津波の影響を受けにくいですが、実際のところどうなるか分かりません。
震源地にもよりますが、東日本大震災における3mの津波の到達が一番速かったところで、地震が発生してから約30分であったことを考えると、水中で地震に気づいたらどれだけ早く陸に上がれるかが重要になってきます。
また、遠方からの津波の襲来については事前にニュース等で情報を得ることができますので、海に行く前には安全のために十分な情報収集をしてから行きましょう。
まとめ
どこで、どの時点で、どういった避難行動をとるべきかということは、どこの地域でどういったスタイルで潜っているかによって大きく変わってきます。
自身の身を守るために、どんな状況でも臨機応変に行動できるように今回の情報は頭の片隅に入れておいていただければ幸いです。