水中での命綱となるレギュレーター。万が一外れてしまったらと思うとゾッとしますよね。レギュレーターが外れてしまったときに大切なのが、落ち着いて対処することです。そのためには、レギュレーターリカバリーやレギュレータークリアという対処方法をマスターして自信をつけておきましょう。焦ってしまうと2次トラブルに繋がりかねません。
今回は、レギュレーターが外れてしまったときに必須の、レギュレーターリカバリーとレギュレータークリアについて紹介します。
レギュレータークリアとは?
レギュレータークリアは、一度口から外れたレギュレーターを咥(くわ)えなおした時に行うスキルです。バディとぶつかる、岩にホースをひっかけるなどの理由で、レギュレーターが外れることがたまにあります。
水中でレギュレーターが外れると、レギュレーターの中に水が入ります。そのまま口に咥(くわ)えて息を吸うと、中の水を飲んでしまう恐れがあるので、レギュレータークリアが必要となるのです
また、万が一エア切れなどをして、バディからオクトパスを渡してもらったときにも使用するスキルです。エア切れの時は緊急性が高いので、より確実にこなす必要があります。
レギュレーターリカバリーとは?
レギュレーターが口から外れてしまった場合、まずはレギュレーターを探すことから始めます。そのために必要なのがレギュレーターリカバリーと呼ばれるスキルです。
呼吸ができず、焦って探していると、なかなかレギュレーターが見つからなこともあります。そこからパニックを起こして大きな事故につながることもゼロではありません。
レギュレータークリアとセットでマスターしておきましょう。
レギュレーターリカバリーの正しい方法
レギュレーターリカバリーにはアームスイーブ法とリーチ法の2つの方法があります。一般的にはアームスイーブ法の方がよく使われますが、やりやすい方で大丈夫です。しかしどちらかの方法で上手く見つからない時に、もう片方の方法でも探せるように、両方マスターしておきましょう。
アームスイーブ法
アームスイーブ法は右腕を後ろに大きく回して探す方法です。
- 右肩を下げる
- 右手を太もも、お尻、タンクの底の順番で触りながら大きく後ろに回す
- ホースが引っかかったら、左手でホースをなぞってレギュレーターを探す
- レギュレーターを咥(くわ)える
ポイントはしっかりと右肩を下げることと、大きくゆっくり腕を回すことです。
大げさなくらい右肩を下げたほうが、ホースが体から離れて腕に絡ませやすくなります。
またレギュレーターが外れたことで、焦って動いてしまいがちです。すると腕を回す動作が中途半端になり、ホースが見つかりにくくなるので注意しましょう。
リーチ法
リーチ法はタンクの付け根からホースを辿ってレギュレーターを見つける方法です。
- 左手でタンクの底を持って、右肩の方向に持ち上げる
- 右手でタンクの付け根を探る
- ホースをなぞり、レギュレーターを探す
- レギュレーターを咥(くわ)える
コツはしっかりとタンクを持ち上げることです。特に体が硬い方はタンクが下がっていると手が届きづらいです。焦っているとついつい忘れて、最初からホースを探ってしまいがちなので注意しましょう。
また、タンクの装着位置が低いと、ホースの付け根も低くなるので手が届かない場合があります。スキルとは直接関係ないですが、タンクとBCDは正しい位置で装着してください。
レギュレータークリアの正しい方法
レギュレータークリアにはブラスト法とパージ法の2つがあります。リカバリーの時と同じように、どちらでもやりやすいほうを選べば大丈夫ですが、やはり両方ともマスターしておきましょう。
ブラスト法
ブラスト法は、レギュレーターを咥えて息を吐くだけと、とても簡単です。しかしレギュレーターが外れたことで焦っていると、簡単な動作も思うようにいかないことも多いです。以下の手順をしっかりマスターしておきましょう。
- レギュレーターを咥(くわ)える
- 強めに息を吐く
- 確認のために、お茶をすするように息を吸う
- 問題なければ通常の呼吸へ
- 水が排出できてなければもう一度繰り返す
ポイントは、強く息を吐いた後に吸う際は、お茶をすするようなイメージで息を吸うことです。吐いた息が弱いと、レギュレーター内の水が十分に排出されていない場合もあります。そのためいきなり通常通りの呼吸をしてしまうと、口に水が入り、2次トラブルを招きかねません。早く吸いたい気持ちを押さえて、ゆっくり小さく吸いましょう。
パージ法
レギュレーターの前部にあるパージボタンを押して水を排出させる方法です。リカバリーに時間がかかると、吐く息が残っていないことも多いです。そんな時はパージ法を使えば簡単に水を排出できます。
- レギュレーターを咥(くわ)える
- パージボタンを押す
- 通常通り呼吸を再開する
パージボタンは軽く押すだけで、十分に水が排出されます。強く押しすぎると、勢いよくエアが出てマスクがズレる原因にもなるので注意しましょう。
またパージボタンを押すとエアと共に水も口の中に入ってきます。舌を上の歯に当てるか、レギュレーターの穴を塞ぐようにするとせき止められます。
レギュレータークリアをマスターして安全なダイビングを
レギュレータークリアをする機会は、それほど多くありません。しかしレギュレーターが外れる=呼吸ができないということなので、その後の対処がとても重要です。だからこそ、いざ必要な時にしっかりとできるように練習やイメージトレーニングをしておきましょう。
初心者の方は何かと不安が多くストレスにもつながります。一つひとつのスキルをマスターしてダイビングを存分に楽しんでください。