スキューバダイビングをすると、世界観が変わるという言葉をよく聞きませんか?
世界観とまではいきませんが、確かに生活や物の見方は少し変わりました。そして、今では大切なライフスタイルの一部になっています。
私はもともとダイビングに全く興味がありませんでした。自分が海の中に行くなんて思いもせず、テレビで見る特別な世界だと思っていました。
そんな私がダイビングを始めたきっかけと、ダイビングで変わったことについてお話したいと思います!
ダイビングを始めたきっかけ
1.ダイビングライセンスを取ったのは20年前
今から20年ほど前、私はオーストラリアでライセンスを取得しました。
きっかけは、友達から一緒にライセンスをとろうと誘われたことです。
前述したとおり、興味はあまりなかったのですが、暇だったこと、友達同士で申し込むとライセンス取得価格が割引になり激安だったこと、子供の頃にスイミングスクールに通っていたので水泳は得意だったこと、などもあり、取ることにしました。どうしてもダイビングがしたい、そう思っていたわけではありませんでした。
ただ言われるがまま学科、海洋実習を行い、オープンウォーター(OW)ライセンスを取得しました。
海洋実習をしたのは冬の時期で、水温16.0℃、海況が悪く海で潜れず、透視度1m以下の濁った河口で講習という、今思えばとんでもない状況でした。
そしてまた誘われるまま、アドバンス(AOW)のライセンスを取得。その講習も、日本だったら出航しないだろうと思うくらい海況が悪く、ボートは信じられないくらいに揺れ、船酔いと闘いながらの講習でした。正直楽しかった思い出はまったくありません。
2.ライセンス取得後のダイビングライフ
そんなスタートだったので、ダイビングが楽しいという気持ちはありませんでした。ライセンスを持っているので、もし旅先がダイビングできる場所なら、体験ではなくファンダイブができるかな、というくらいの温度感です。
沖縄本島、宮古島などで旅行のついでにダイビングをしましたが、余裕がなく、潜ることに精いっぱいで、周りのことなど何も見えていません。
楽しみ方がまったく分からないまま何度か潜り、そのうちダイビングをしなくなってしまいました。
3.10年後に再開
ダイビングをしなくなって10年以上経っていました。
再開したきっかけは、転職した会社の近くにダイビングショップがあることを知り、旅行で離島に行きたかったこともあり、久しぶりにダイビングをしてみようかとなんとなく思い立ったからです。
いきなり現地でダイビングをするのは気が引けていたので、ブランクダイバー用の思い出し講習というものを受けてみることにしました。
しかし、いざプールで講習を受けて愕然としました。チェック項目のスキルが全くできないのです。
苦笑いをするインストラクターを横目に、自分はこんなこともできずに潜っていたのか、と初めて恐怖心を抱きました。
そこから、ちゃんとできるようになりたい、という思いが強くなり、一から学びながらの私の第2のダイビングライフが始まりました。
なぜ今度は続けられたのか
一度ドロップアウトしたダイビングを、なぜ今回は続けていられるのでしょうか。
今思うと、海外で受けた講習はライセンス取得することを目的とするものでした。そこではスキルを習得することの大切さ、海の怖さ、スキルがあってこその海の楽しさであることを知ることができていませんでした。
スキルがないことで楽しめていないことを知り、スキルを身につけたいと思うことで上達し、もっと楽しめることに気づく。もっと楽しみたいのでスキルアップをする、という相乗効果が生まれました。
ダイビングを続けることで、どんなことが変わったか
1.仲間が増え、生活に張りができた!
ダイビングをする人、してみたい人は意外とたくさんいます。
顔見知り程度だった人が実はダイビングをしていて話に花が咲いたり、ライセンスを取りたい人から相談を受けたり、取得後に一緒にファンダイビングに行ってみたりと、仲間が増えました。
ダイビングを始めてみたい人は、実は近くにライセンス保持者いるかもしれないし、始めてみたい人もいるかもしれません!
仲間がいることはモチベーションを保ち、継続していくことにもつながります。
ダイビング旅行の予定を入れると、日々の辛い仕事が頑張れ、ダイビングでリフレッシュする、という最高の癒しを体験できます。これはダイバーの特権です。
2.安全について考えるようになった!
安全に楽しむことは基本中の基本です。そのために、安全についてはとても考えるようになりました。その結果、人の安全も考えられるようになりたいと思い、レスキューダイバー(RED)のライセンスを取得しました。20年前の自分では信じられないことです。
3.行きたい場所が増えた!
もともと旅行は趣味でしたが、ダイビングのための旅行をすることが多くなりました。
日本中、世界中に潜ってみたいポイントがたくさんあります。
観光メインの旅行もしたいし、ダイビングメインの旅行もしたい、お金と休みがたくさんあればいいのに、という悩ましさが増えてしまいました。
4.環境に興味を持てるようになった!
近年SDGsへの取り組みが活発になってきており、目標のなかには「海の豊かさを守る」というものがあります。
実際ダイビングをしていると、港やビーチ近くの海中にはペットボトル、ビニールの切れ端、たばこを始め、目を疑うような廃棄物を目の当たりにすることがあります。
また海水温の上昇に伴い、珊瑚の白化現象がすすんでいたり、魚の数が減少していたりと、温暖化や環境の変化は感じずにはいられません。
ダイビングを好きになればなるほど、この美しい世界を守っていくにはどうしたらいいのか、自然と考えるようになりました。
大きなことはできなくても、ゴミを捨てない、環境にやさしい日焼け止めを使う、珊瑚をフィンキックで折らないように中性浮力を上手にできるようになる、など小さなことでも意識して積み重ねていくことが大切だと思います。
環境保護プロジェクトもあるので、興味のある方は調べてみてくださいね。
安全にダイビングを楽しもう!
ダイビングをしている人の中には、最初からセンスがあって、とても上手な人もいます。
残念ながら私は、センスがある方ではありません。
マスクの中に水が入ってくるのはいつまでたっても苦手だし、中性浮力がとれるようになるまでだいぶ経験本数が必要で、最初の1本目はいつも緊張します。
こんな私がここまで続けられたのは、やはり信頼できるショップを見つけたからだと思います。
顔見知りのスタッフができて、私が苦手なこと、ウィークポイントを知ってくれていることが安心感につながり、楽しみ方を知ることができました。
ダイビングを始めたいけど不安な人、スキルに苦手意識がある人は、ぜひ自分にあったショップを探してみてください。
そして、安全に、めいっぱいダイビングを楽しんでほしいと思います。