今回はダイビング歴7年の私が沖縄本島北部のおすすめダイビングスポットをご紹介します!
沖縄本島北部は「やんばる(山原)」と呼ばれています。
明確な定義はありませんが、名護市から国頭郡に属する亜熱帯の森が広がるエリアのことを指しています。やんばるの森は、2021年7月にユネスコ世界自然遺産として登録されました。
登録されたのは森ですが、海もダイナミックさにあふれた魅力的なポイントがたくさんあります。
1.ゴリラチョップ(崎本部)
- ダイビングスタイル:ビーチ
- ダイビングレベル:初級者~
- 最大水深:~15m
初心者も安心、設備充実でストレスなし
シュノーケラーにも人気がある初心者から楽しめるポイントです。水深が浅いので経験本数が少なく、スキルに自信がないダイバーも安心して潜ることができます。
また公園として整備されているので、シャワー(有料)やトイレなどの設備も充実しています。
北風に強い!沖縄冬の海の救世主
ここのポイントは何といっても北風に強いというところ。沖縄は冬の時期は北からの風が吹きやすくなります。本部半島や瀬底島のおかげで北風を避けることができ、他のポイントが荒れていてもここでは潜れるという救世主的なポイントです。
私は冬に北風で船が出ない時にゴリラチョップで潜りました。せっかく沖縄まで来たのに潜れないなんて悲しいので、とてもありがたかったです!
白い砂地に太陽!のんびりマクロダイビング
初心者向けだからといって、あなどってはいけません。エントリー付近はカラフルなソフトコーラル、少し進むとサンゴの群生が見られます。水深が浅いと太陽の光の筋が入ってきて、それだけでとてもキレイですよ。
根をすり抜けていくと、白い砂地が広がっています。砂地も深度が浅く、じっくり探すとマクロな生物を見つけることができます。
さらに沖に進むと桟橋があり、冬に潜った時にはウミウシがたくさんいました!
もちろんチョウチョウオの仲間やクマノミなど、THE沖縄感も楽しめます。
マクロ好き、フォト派ダイバーは残圧、時間を気にせず、のんびりできるのでおすすめです!
初心者も上級者もそれぞれの楽しみ方ができるポイントといえます。
2.USSエモンズ(古宇里島)
- ダイビングスタイル:ボート、レック、ディープダイビング
- ダイビングレベル:上級者
- 最大水深:~45m
第2次世界大戦時代、USSエモンズの歴史
USSエモンズは古宇利島近くの海底に沈んでいる米軍船の名前です。国内でレックダイビングができる最大規模の沈船です。
USSエモンズは第二次世界大戦時、日本の攻撃を受け航行不能に陥(おちい)りました。日本に情報が漏れるのを恐れたアメリカ軍によって、日本人を含む60名以上のアメリカ人を乗せたまま海の底に沈められてしまったという悲しい歴史をもっています。
ディープ、レックなどのスキルが求められる上級者ポイント
古宇利島漁港からボートで15分ほどで到着します。外洋が近いので流れていることが多く、エントリー後は潜降ロープ沿いに一気に40mほど潜降していきます。
最大深度45m、沈船のトップでも35mのディープダイビングです。スムーズな耳抜き、シビアな浮力コントロール、中性浮力は必須です。エアーの消費を最小限にするために落ち着いてダイビングを行う必要があり、上級者向けのポイントです。
ディープのため、1日2ダイブ。沈船は全長106m、全幅11m、2050トンの巨体なので、1本で全容は見切れません。船尾から中央、中央から船主と半分ずつ見る形になります。
歴史に思いを馳せる沈船というロマン
沈船ってロマンの塊ですよね。特にたまらないのは潜降はじめは何も見えないところから、うっすら大きな黒い影が見えてきて、それが「船」と認識できた瞬間です。
深く青い海と無機質な人工物のミスマッチな組み合わせは、むしろ魅力的です。一目で全容がつかめない壮大さ、その歴史に圧倒され、ただただ感動してしまいます。
しかも特攻により受けた破損や沈没の原因になった砲弾の跡、大砲や魚雷を搭載したほぼ原形をとどめた姿を見ることができるのです。
船内には当時のままの生活用品が残っていて、その時代にタイムスリップしたような感覚に襲われます。(※船内には必ず入れるわけではありません)
これこそスキルを積んだダイバーの醍醐味と言えるでしょう。
そんな感動もつかの間、滞在時間は10分もありません。すぐにお別れしなくてはいけないという名残惜しさの余韻が残り、また来たいと思ってしまいます。
3.辺戸岬ドーム(最北端)
- ダイビングスタイル:ボート、ドリフト、ケーブダイビング
- ダイビングレベル:中~上級者
- 最大水深:~20m
世界的にも珍しい海底鍾乳洞
辺戸岬は沖縄最北端、名護市からさらに1時間北上したところにあります。
ここで紹介したいのは、「辺戸岬ドーム」というポイント!正式には宜名真海底鍾乳洞といいます。
鍾乳洞は、雨水が地下にしみこんでいく際に石灰岩を溶食・浸食し、洞窟が形成されたものです。この辺戸岬ドームは、今から約2万年前に海中に沈んだと言われています。
ダイバーだけが楽しむことができる神秘的な空間を体験
流れがあるのでドリフトダイビングが基本です。フリー潜降で水深10mまで行き、少し進むと水深12mのところに洞窟の入り口が見えてきます。入り口、内部共に広さはまずまずあります。
はじめはつるつるした岩肌になりますが、少し進むと鍾乳石へと変わります。さらに進むとエアードームが形成されており、水面に顔を出して鍾乳洞を眺めるという体験ができます。
シーンと静まり返った水の音だけが聞こえる暗がりの空間はとても神秘的です。
昔々には地上にあったものが今は深い海の中にあって、それを見ることができるなんてすごいことですよね。
エアードームから再び潜降して先に進むと、今度は地面からニョキニョキと伸びる鍾乳石を見ることもできて、上下が逆転した世界にきたような気分になります。
洞窟内を満喫したら、潜って来たルートを戻っていきますが、外の光が見えるとホッとしますね。そして、洞窟入り口に群れる魚に光が当たってとってもキレイです。
光ってこんなに安心するものなのかと、自分が思っていたより緊張していることに気づかされます。
ぜひ、このワクワク感とドキドキ感あふれる冒険を楽しんでほしいと思います。
装備はしっかり、冷静さと基本的なダイビングスキルは必須
洞窟ダイビングは魅力的なダイビングスタイルですが、装備とスキルが必要です。ライトは必須、それでも薄暗く、頭上をふさがれていて、すぐに浮上できる環境ではないと思うと、普段のファンダイブよりストレス・不安を感じやすくなります。
鍾乳石を傷つけたり、水底の泥や砂を巻き上げない中性浮力とフィンキックも必要です。冷静さと基本的なスキルは必須ですよ。
「辺戸岬」にはこのドーム以外にも魅力的なポイントがあります。少し遠いですが、訪れてみたいポイントですね。
観光客も少なく、自分好みのダイビングができる
回は沖縄本島北部のおすすめダイビングポイントを3つご紹介しました。
- ゴリラチョップ
- USSエモンズ
- 辺戸岬ドーム
冒険心をくすぐるポイントを、ぜひ訪れてみてくださいね。