中性浮力って何?ポイントと練習方法を解説します

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初心者ダイバーの中には、「中性浮力が一番苦手」という方も多いのではないでしょうか。中性浮力は数あるダイビングスキルの中でも、難易度が高いです。しかし中性浮力をマスターしてこそ、ダイビングを最大限に楽しめます。フワフワとした浮遊感は、中性浮力が取れて初めて味わえるからです。
今回は中性浮力とは何か。そして中性浮力をマスターするためのコツを紹介するので、参考にしてください。

中性浮力

中性浮力とは?

中性浮力とは、水中で浮きもせず、沈みもせずバランスが取れた状態のことです。足をバタバタさせて中層に浮いているのは、中性浮力を取れていません。しっかりと中性浮力がとれていれば、ジっとしていても、中層にフワフワと浮いていられます。ダイビングではよく、「無重力感」を味わえると言われます。この中性浮力が取れて、浮いている感覚がまさに無重力感なのです。
中性浮力はダイビングスキルの中でも難易度が高いです。初心者ダイバーの中には、上手く中性浮力が取れず、手足をバタバタしたり、BCDにエアをたくさん入れて浮いたりして、必死に中性浮力を取ろうとする方が多いです。しかし間違った方法では、砂を巻き上げて辺り一面濁らせたり、浅瀬で急浮上したりとよいことがありません。しっかりとしたスキルを身に着けることが大切です。

中性浮力のメリット

そもそも中性浮力はなぜ必要なの?と思う方も多いでしょう。中性浮力を取れなくても水中で呼吸できますし、カラフルな魚たちを見れます。一見、中性浮力が取れなくても問題ないようにも感じるかもしれませんが、中性浮力が取れることでのメリットがたくさんあります。ここでは、そのメリットを紹介します。

楽に泳げる

中性浮力が取れていると、軽くフィンキックをしただけで、スイスイと泳げます。中性浮力が取れていないと、中層に浮こうとする力と、前に進もうとする力が働いて、思うように前に進めません。そのため、ダイビングが終わったあとにドッと疲れてしまう方も少なくないです。楽に泳げれば気持ちに余裕もできて、水中の世界をもっと楽しめるはずです。中性浮力が取れなくても問題ないようにも感じるかもしれませんが、中性浮力が取れることでのメリットがたくさんあります。ここでは、そのメリットを紹介します。

エア持ちがよくなる

中性浮力が取れていて楽に泳げれば、無駄な体力を使わないので、エア持ちも良くなります。中層に留まるとき、中性浮力がとれていれば、ただ呼吸をしているだけです。中性浮力が取れていないと、その場に留まるためにフィンキックもするので、その分エアを消費します。同時に、BCDに無駄なエアの出し入れも増えることが多いので、余計にエアの減りが増えるのです。

環境に優しいダイビングができる

中性浮力が取れないと、サンゴの上に墜落したり、フィンで蹴ったりして貴重なサンゴを傷つけやすいです。また砂地でも墜落したり、浮き上がろうとバタバタとフィンキックをして砂をモクモクと巻き上げたりしがちです。
特にサンゴは成長が遅く、一度折れてしまうと復活するのに長い時間がかかります。砂を巻き上げると砂地の生物の住み家を壊してしまいますし、濁って他のダイバーに迷惑をかけます。中性浮力が取れればそのようなことに繋がらず、環境に優しいダイビングができるのです。

ダイビングの幅が広がる

中性浮力が取れるようになると、ドリフトダイビングに参加できたり、ドロップオフのようなポイントに潜れたりするようになります。ドリフトダイビングやドロップオフでのダイビングは、最初から最後まで中層に浮いていることがほとんどです。つまり中性浮力が取れないダイバーは参加できません。もちろん、穏やかなポイントでのんびりとダイビングをするのもよいですが、潜れるポイントが広がれば、ダイビングの楽しさも広がるのではないでしょうか。

水中洞窟へのダイビング

中性浮力の練習方法

適正ウェイトを計る

中性浮力の練習をする前に、適正なウェイトを把握する必要があります。
講習の時に計った重さで潜り続けるダイバーが多いです。しかし適正ウェイトは体重、ウェットスーツ、器材などで変わってきます。久々に潜る場合は体重が変わっているかもしれません。また、講習時は体を安定させるために、重めにしていることも多いです。そのため、改めて適正ウェイトを計りましょう。 確認方法は、以下の手順です。

  1. すべての機材を装着し、水面でBCDのエアを抜く
  2. ゆっくり呼吸をし、水面が目の高さになればOK
  3. 水面が高すぎる、低すぎる場合は、ウェイトの量を調整する

水中での練習

適正ウェイトを把握したら、実際に水中で練習してみましょう。中性浮力を取るまでの手順は以下の通りです。

  1. 着底し、呼吸を整える
  2. BCDに少しエアを入れる
  3. 大きく息を吸う
  4. 体が浮けば浮いた状態でゆっくりと呼吸をする
  5. 体が浮かなければ、②~④を繰り返す

ポイントは、BCDへの給気も、呼吸もワンテンポ遅れてから浮いたり沈んだりすることです。初心者にありがちな失敗として、③で大きく吸ってもすぐに体が浮かないからと、追加で給気してしまうことです。追加で給気してしまうと、浮力が大きくなりすぎて浮いてしまい、慌てて排気して墜落しがちです。
そして常に呼吸を意識しましょう。②でBCDに給気した後は、水深が大きく変わらなければ呼吸だけですべて調整できます。吸うと体が浮き、吐くと体が沈みます。体が浮き始めたら息を吐き、反対に体が沈み始めたら息を吸いましょう。
またダイビング中に呼吸を止めてはいけないと教わるので、常に「吸って吐いて」を繰り返す人も多いです。しかしそれでは中性浮力はコントロールできません。浮きすぎるなと思えば、息を吐いて数秒止める、沈みすぎるなと思えば、息を吸って数秒止める。その程度であれば問題ないので、肺の中の空気を意識しながら呼吸してみてください。

レックダイビング

中性浮力をマスターしよう!

中性浮力について解説しました。中性浮力をマスターすると、ダイビング中のストレスが減りますし、ダイビングの幅も広がります。ごまかしながら中性浮力を取っている方は、これを機会にぜひマスターしましょう!きっとダイビングがもっと楽しくなるはずですよ。

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