今回は現役ダイビングインストラクターが、誰でもできる簡単な船酔い対策について紹介します。
待ちに待った旅行先でのダイビング。
船酔いで台無しにならないように、船酔い対策や船酔いをしてしまった際の対処法を知っておきましょう。
船酔いの原因とは?
そもそも船酔いはなぜ起こるのか?
船などの乗り物は不規則に揺れることにより、三半規管から脳に送られる情報と、視覚・聴覚・身体から脳に送られる情報のずれが生じます。
これを脳が処理しきれず、自律神経が乱れることにより、めまいや吐き気・嘔吐などの症状が現れます。
船酔いのサインとは?
船酔いは急に起こるものではなく、初期症状があります。
それは、
- 眠くないのにあくびが出る
- ゲップが出る
これらの症状が出始めたら、すぐに船酔い対策をしましょう。
事前対策を講じておくのが一番良いですが、これらのサインが出てからでも船酔い対策はまだ間に合います。
事前にできる船酔い対策
過度なアルコールを控える
旅行先では飲酒をすることもしばしば。
次の日に備えて飲酒を控えましょう。
ダイビング前日の過度な飲酒はNGです。
十分な睡眠をとる
睡眠不足や体調不良は船酔いのもとです。
ダイビング前日は十分な睡眠時間を確保し、体調を整えましょう。
酔い止め薬の準備
ダイビングインストラクターの経験上、最も効果があるのはエスエス製薬の「アネロン」という酔い止め薬です。
少々お値段は張りますが、事前に購入しておくと安心です。
また酔いにくくなるツボを刺激してくれるリストバンドも市販で販売されています。
この2つは旅行先で手に入りにくいこともあるので、必要な方は旅行に出発する前に購入しておきましょう。
ボートダイビング当日の船酔い対策
消化の良い食事を摂る
脂質の多い食事などは避け、消化の良いバナナなどの果物がおすすめです。
その際、柑橘系の果物や飲み物は船酔いを促進させることもあるので控えましょう。
酔い止め薬を飲む
前述した「アネロン」を乗船前に飲みましょう。
※アネロンは酔ってからでも効果の出る優れた酔い止め薬です。
ボートに乗船してからの船酔い対策
ボート内での位置取り
ボートで一番揺れが少ないのは船体中央部ですが、だいたいそこにはエンジンがあるかと思います。
エンジンの油や排気ガスの臭いは船酔いの原因にもなるので、エンジンの近くを避け、船体中央部の風通しの良い場所を選びましょう。
室内を薦められることもありますが、空気がこもっているため新鮮な空気が吸える外の方が良いと思います。
サングラスをかけて前を向く
海面による光の反射など目からの刺激を抑制することで船酔い予防になります。
大丈夫そうだからといって下を向いて携帯を操作したり、ダイビング器材の準備等をすると船酔いの原因になります。
器材の準備は迅速に
ウエットスーツ等の締め付けの強いものは海に入る直前に着用するのが良いでしょう。
また、他のダイビング器材の準備についてもできるだけ出港前に終わらせておきましょう。
ガムを噛む・飴をなめる
船酔い防止の王道の方法です。
「Fisherman’s Friend」というキャンディは経験上、特に効果がありました。
ミントが強めのものを選ぶと良いでしょう。
気分もすっきりします。
水分補給をする
水やお茶でもよいですが、オススメはミントティーやジンジャーティーなどです。
ミントには胃の不快感を取り除く作用があり、生姜には吐き気を抑える効果があります。
気を紛らわす
船に乗った瞬間に船酔いを恐れて、横になって眠ったり、黙って下を向いていたりすると逆効果です。
気を紛らわすために、周りの人と楽しくおしゃべりするのが一番です。
自己暗示をかける
多くの船酔いをする人は船に乗る前から船酔いを恐れすぎています。
私は絶対に船酔いしない!と強い気持ちを持つことが大切です。
船酔いしてしまった際の対処法
事前に対策をしていたのに船酔いしてしまうこともあるでしょう。
万が一、船酔いしてしまってもトイレに駆け込むのはおすすめしません。
ダイビングボートのトイレは閉鎖的で空気がこもっているため、余計に気持ちが悪くなりがちです。
風下に向かってボートの縁から吐くか、だいたいの船はエチケット袋が用意されていますので袋の中に吐きましょう。
この際、風上で吐くと人にかかったりするので周囲を気を配るながら吐きましょう。
また、とっさに白や透明の袋に吐いてしまう方もいますが、周りの人の船酔いを誘発するのでやめましょう。
船酔いを予防するために
船酔いが心配な方は、今回紹介した船酔い対策をぜひ試してみてください。
万が一ボートに乗ってから船酔いをしてしまった場合には、インストラクターに相談するのも良いでしょう。
たくさんの対処法を教えてくれるはずです。
船酔いは事前対策をして、楽しいダイビングの想い出を残しましょう。