「ダイビング器材のセッティングがなかなか覚えられない」「久々に潜ると器材のセッティング方法を忘れてる」そんな悩みを持つ初心者ダイバーの方も多いのではないでしょうか。
Cカード取得の講習で、器材のセッティングはしっかりと習うはずですが、その後に潜る機会が少ないと、どうしても忘れてしまいがちです。間違ったセッティングは、水中でトラブルに繋がりかねません。時には命に関わる可能性もあるので、しっかりとマスターしましょう。この記事では、ダイビング器材の正しいセッティング方法を紹介しますので、参考にしてください。
※ダイビング器材の細かなセッティング方法は、メーカーやモデルによって異なります。最終的には利用するショップのインストラクターに確認してください。
タンクの確認
器材をセッティングする前に、まずはタンクの確認をしましょう。
タンクを受け取ったら、テープもしくはカバーがしてあるか確認してください。テープやカバーは充填済みの印となります。単なる付け忘れの場合もありますが、テープやカバーがない場合は基本的に交換してもらいましょう。
テープやカバーを外した後、Oリングの有無を確認します。なければ新しいタンクに交換してもらうか、Oリングを付けてもらいましょう。同時にOリングにひび割れや劣化が無いか確認します。ひび割れや劣化はエア漏れの原因となるので注意が必要です。
バルブを軽く開いて、空気の匂いを嗅ぎます。オイル臭かったり、異臭がする場合はそのタンクを使用してはいけません。やはり新しいタンクに交換してもらいます。
全て問題なければセッティングに移りますが、最初に外したテープやカバーは外したままにしてください。
BCDの装着
まず、タンクを自分の前に置き、タンクバルブが右側になるようにしてください。
BCDはタンクの前側にくるように、BCDのベルトをタンクに通します。BCDのモデルにもよりますが、襟の部分がタンクのバルブと同じ高さになるように調整して、ベルトをきつく締めてください。締め付けが弱いと器材を背負うときや、水中で外れてしまいます。また高さがズレていると、水中でバランスが取りづらいので注意しましょう。この時、BCD上部にある小さなベルトを、タンクのバルブに引っかけるのを忘れないでください。
最後にしっかりと装着ができたかの確認をします。片手でタンクのバルブを持ち、もう片方の手でBCDを引っ張ってみてください。しっかりと装着していれば、ズレることはありませんが、ズレる場合は、締め付けが弱いのでさらに強く締め直しましょう。
レギュレーター、中圧ホースの装着
まずセカンドステージだけが右側になるようにホース類を持ちます。残圧計は左側で、オクトパスも左側が主流です。ただオクトパスの位置は、お店やモデルによって異なるので、インストラクターに確認しましょう。
ホース類が整理できたら、ファーストステージのヨークスクリューが自分に向くように持ちます。ヨークスクリューを回し、ダストキャップを外したら、ファーストステージとタンクの凹凸を合わせ、ヨークスクリューを締め直します。この時、ヨークスクリューを強く締めすぎると、Oリングが破損する可能性があります。エア漏れを恐れてきつく締めすぎる人がいますが、「ヨークスクリューを3本の指で回して止まるまで」を目安にしましょう。
次にBCDのインフレーターに中圧ホースを装着します。中圧ホースの先端はスライドできるようになっています。スライドさせた状態で、インフレーターの接続部に奥まで差し込み、スライドを戻します。中圧ホースを引っ張っても抜けなければ大丈夫です。
タンクバルブを開く
器材のセッティングが終わったら、タンクバルブを開きます。タンクバルブは反時計回りに回すと開き、時計回りで閉まります。
タンクを開く際の注意点として、残圧計を下に向ける必要があることです。タンクバルブを開くと、残圧計には一気に高圧がかかります。万が一残圧計に破損があった場合、高圧により割れて、破片が自分のほうに飛んでくるかもしれません。そのため、下に向けるようにしてください。
またバルブを全開にした後は、半回転だけ時計回りに戻します。全開にして、バルブが止まった状態にしておくと、パッと触った時に開いているのか、閉まっているのか分からないのを防ぐためです。
器材チェック
タンクバルブを開いた後は、まず残圧計をチェックしてください。180~200気圧入っていれば大丈夫です。それ以下の場合は、スタッフに交換してもらいましょう。
そして呼吸ができるかどうか、BCDが作動するかを確認します。セカンドステージ、オクトパスともに、まずはパージボタンを押して、空気が出るか確認します。問題なければ、軽く咥(くわ)えて呼吸してみましょう。オクトパスは「予備」という認識で、確認を忘れがちですが、いざというときのためにしっかりと確認してください。
最後にBCDの吸排気ができるか、エア漏れしていないかを確認します。それぞれのボタンを押して、作動するか確認したら、BCDへ多めに空気を入れてください。その状態でBCD全体を抱えるように押すと、エア漏れがある場合は「スーッ」と音がするはずです。
すべての確認が終わったらいよいよ潜ります。すぐに潜る場合はそのままでよいですが、しばらく時間が空く場合は、一度タンクバルブを閉めましょう。また、ボートダイビングでは、ポイント到着まで邪魔にならない場所に置くこともあります。セッティング後の器材の取り扱いは、スタッフの指示に従ってください。
自分で器材をセッティングできるようになろう
今回はダイビング器材のセッティング方法を紹介しました。
ダイビング器材のセッティングは、一度行っても、次のダイビングまで間隔が空いてしまうと、忘れてしまいがちです。立て続けに潜って、体で覚えるのが一番ですが、現実的にはなかなか難しいですよね。少しでも忘れないように、この記事を参考にイメージトレーニングをしてみてください。
ダイビング器材のセッティングは、命にも関わることなので非常に大切です。自分でしっかりセッティングできるようになることは大切ですが、分からないまま自己流で行うのは絶対にいけません。分からない場合は、遠慮なくスタッフに確認しましょう。安全第一でダイビングを楽しんでください。